為替レートが変動する理由
外国為替レートの変動は、FX投資家の売買行為によって大きく影響されます。
バイナリーの場合は、30秒~5分の短時間で為替レートが上がるか下がるかを予想します。
FXの場合は、時間は自分で決められますが、外国為替を売買することで差額の利益を得ます。
一見、全く違う投資法のように見えますが、為替レートはFX投資家の売買により上下しますので、バイナリーをする際はFX投資家の心理を読むことが重要なポイントです。
需要と供給の原理によって為替レートが変動する
為替レートが変動するのは、まさに需要と供給の原理があてはまります。
需要(買い)があると、為替レートは上がる。
供給(売り)があると、為替レートは上がる。
例をあげて言えば、外国為替取引でUSD/JPYの為替を購入する人が多ければUSD/JPYのレートが上がり、USD/JPYの為替を売却する人が多ければUSD/JPYが下がっていきます。
為替レートが上がり続けたり下がり続けたりする現象をトレンド相場、為替レートが小さく上下して大きく変動しない現象をレンジ相場と言います。
FXの場合は、為替レートが下がった外貨を購入して、為替レートが上がったときに売却してその差額が利益となっていきます。
FXの場合は含み損のリスクを除けば、バイナリーよりもリスクは少なく利益率が小さいため、大きな資金を注ぎ込んでしまい、一度負けただけで大損をすることがあります。
一方バイナリーの場合は、リスクは大きいものの少額から投資できるので、複利で利益を上げていけばこれほど利益率が高い投資法は他に見あたりません。
バイナリーのトレンド相場の予想はつきやすいので、順バリと言って上昇トレンドのときは為替レートがアップする予想をし、下降トレンドのときは為替レートがダウンする予想をします。
しかし、為替レートは規則正しく変化するわけではないので、予想と反する結果になってしまい損をすることはよくあります。
トレンド相場が長く続いても15~20分くらいなので、トレンドの始期と終期を見極めることが重要です。
それを見極めるために波形や過去のデータからテクニカル分析をしますので、決して希望的予測やカンにたよって稼ぎ続けることは難しいです。
バイナリーをしていて予想がはずれるのは、為替レートが急に上昇したり下降したりするときです。
そういうときはチャートのグラフが垂直に折れ曲がり、予想が裏切られることがあります。
上昇トレンドが下降に転じたり、下降トレンドが上昇に転じたりするタイミングをつかめれば、逆バリという手法を使ってかなりの精度で予想を的中させることができます。
しかし、逆バリで稼いでいくためには熟練したテクニカル分析とマインド面でしっかりと自己コントロールする必要があります。
国際通貨力と為替レートの変動
外国為替、特にFXで取引する場合は、外国通貨を購入売却して利益を得ます。
例えば、USD/JPYが1ドル106.725円のときに、1000ドル購入したとすると日本円で106725円になり、1ドル108.375円に変動すれば108375円に値上がりして、その時に売却すれば1650円の利益が得られます。
USD/JPYが1ドル106.725円から108.375に変動するのは、FXの取引市場で購入総額が売却総額を上回り、すなはち、需要が供給を上回ったため値上がりしたのです。
この場合は、1ドルあたりの日本円の金額が高くなっていますが、円安ドル高の現象が起きています。
円安とか円高とか言うのは、日本円の価値が安くなったか高くなったかという意味です。
見た目上では、USD/JPYが1ドル106.725円から108.375円になるのは日本円の金額が高くなっているため、円高のように思えますが、これは円安となります。
なぜなら、1ドル106.725円のときは1円あたり1÷106.725≒0.0094ドルですが、1ドル108.375円になれば1円あたり1÷108.375≒0.0092ドルとなります。
もっと具体的に言えば、1ドル106.725円のときは1万円で94ドルの買い物ができたのが、1ドル108.375円になれば1万円で92ドルの買い物しかできなくなるのです。
つまり、1ドル106.725円から1ドル108.375円に変動することは、1円の値打ちが下がったことになり、この現象を円安と言います。
円安が理解できれば、その反対の現象が円高です。
私が大学生の頃は1ドル360円でしたが、現在は1ドル108円くらいですので大幅な円高となっています。
これは米ドルの国際通貨力が弱くなって日本円の国際通貨力が強くなったからです。
国際通貨力というのは、その国の通貨どれだけ安心して使うことができるという指標でもありますが、国際的にその国の通貨が普及すればするほど通貨力が強まります。
日本円の通貨価値がここ数十年の間に急激に高まった理由をいくつかあげると
・高度経済成長期を通して日本のGDP(国内総生産)が急激に上昇したこと
・自動車やIC(集積回路)などの輸出により貿易黒字を出し続けたこと
・1990年代のバブル崩壊後も海外投資をして工場を海外に移転し現地生産をする企業が増えていること
などがあります。
以上、国際通貨力から見た長期的な為替レートの変動について述べましたが、FXでで取引して利益を上げるのは、もっと短期的な為替レートの変動を取り扱います。
この短期的な為替レートの変動は、国際通貨力よりも政治や経済の外的要因(ファンダメンタル)によって変動することが日常茶飯事のように起きています。
短期的な需要と供給を決定づける外的要因(ファンダメンタル)
景気と金利の動向
基本的に景気が良いとか悪いとかは、お金がどれだけ流通しているかで決まります。
分かりやすく言えば、お金を使う人が多ければ景気が悪くなりお金を使う人が少なくなれば、景気は悪くなります。
一般的には国際通貨力が強い国の貨幣は取引量が増えますので、その国の景気は良くなります。
その国の景気が良くなればよけれ平均株価や債券の金利の上昇します。
そうなると、株式や債券に投資する外国資本が流入し、その国の通貨に対する国際的な需要が増え通貨は高くなります。
日本円は三大通貨の1つですので、日本円による取引量は多く、最大の貿易相手国であったアメリカ(現在は中国)とは、高度経済成長期以来円高ドル安が続いています。
そうは言っても、1990年年代のバブル崩壊以来、日本が低成長が続いているのは、日本銀行の金利政策の失敗、少子高齢化にあって社会保障制度の抜本的な改革がなされていないことが大きな原因です。
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国際情勢
戦争やテロなども為替レートが変動する要因になります。
国内でテロが起きたりすればその国の国際通貨力が低下するため投資家によって通貨は売られることが多く、需要より供給が上回るため為替レートが急激に下降します。
ですから、政情の不安定な国の通貨より政情が安定している国の通貨のほうが強く、為替レートの変動も少なくなります。
各国首脳や財務官僚などの発言
各国首脳や財務官、政府銀行の関係者の発言により市場が動くことがあります。
最近では、米中首脳が経済関係の悪化からお互いに関税を高くすると発言していますが、そうした発表があると双方の国の通貨は売りに出され為替レートが下がります。
政府による市場介入
為替レートの急激な変動があった場合に経済への悪影響を最小限に抑えるため、政府が中央銀行を通して為替取引市場に介入して市場操作することにより、為替レートが変動することがあります。
為替取引市場に介入するには日銀が独自の判断で行う単独介入、他国の中央銀行に委託して行う委託介入、他国の中央銀行と協議して行う協調介入の3つがあります。
投機的要因
巨額の資金を動かせる機関投資家や個人投資家が、一時期にその国の貨幣を大量に売却したり購入する動きに出ると、需要と供給のバランスがくずれ為替相場は大きく変動します。
FX投資家の集団心理がバイナリーの相場に大きく影響する
前述の投機的要因によって為替相場が変動すると述べましたが、不安定な情勢の中では、FX投資家たちの集団心理がはたらき、急激に通貨の売却が増えたり、購入が増えたりすることがあります。
プロの投資家たちは情勢が変化してもすぐに行動することは少ないのですが、それでも世界中のFX投資家たちが集団で同じ行動に出ると為替相場は大きく変動します。
このようなときは、FXの投資家たちは儲けるために通貨を売買するのではなく、損害を最小限に抑えるために売買するのです。
もし、このような情勢のもとでFX投資家たちの集団心理を読みとり為替レートの変動を予想しバイナリーで稼ぐことも可能ですが、為替相場が大きく変動するときはバイナリーの取引を控えるのが堅実です。
一方、もっと短期間でFX投資家たちが儲けるために集団心理で売買を行うことがあります。
それは、その通貨の為替レートが下降をたどっていてもやがて上昇に転じることが予想できる場合です。
FX投資は安いうちに通貨を買って高くなったら売るというのが基本ですから、この場合に集団心理が働くと重要と供給が逆転して下降が上昇に転じるのです。
為替レートの変動がある程度規則的になっている時がありますので、バイナリーでは逆バリという手法で稼ぐことができます。
しかし、投機的要因がかなり働きますので、逆バリによって稼ぐためには熟練したテクニカル分析と資金管理ができることが重要です。
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